莫紀宏:「対外関係法」と合憲性審査制度の新たな発展
著者:莫紀宏

要旨:2023年6月28日、第14期全国人民代表大会常務委員会第3回会議で審議、可決された「中華人民共和国対外関係法」第30条第2項は「国家が締結または参加する条約と協定は憲法に抵触してはならない」と明確に規定しており、これは我が国の法律文書が条約と憲法との間の効力関係を明確にし、これは中国の法律文書が条約と憲法の間の効力関係を明確にし、法律規則体系の中で「憲法至上」の原則を確立したのは初めてである。「対外関係法」の関連規定によると改正「中華人民共和国立法法」は、全国人民代表大会常務委員会の合憲性審査職権行使を核心として合憲性審査制度を確立し、審査対象の範囲を広げるだけでなく、合憲性審査に新たな法的根拠を設けた。憲法規定、憲法原則、憲法精神は合憲性審査の確定的な基準になることができる。そのため、「対外関係法」の正式な実施は我が国の合憲性審査制度に新たな活力を注入し、国家根本法である憲法が制定法規則体系の中で最高の法律権威を獲得し、憲法の実施を推進し、憲法権威を維持するのに役立つものとみられる。

キーワード:「対外関係法」、「立法法」、条約憲法至上原則、合憲性審査

著者:莫紀宏、中国社会科学院法学研究所国際法研究所連合党委員会書記、法学研究所所長、研究員。

出所:「法学評論」2024年第3期。