馬金星:『国際海上交通安全の法的保障』

馬金星 著

社会科学文献出版社

内容概要

グローバル化を背景に、海洋の現在社会に対する最大の価値は、海上通路と海洋資源である。国際海上交通は世界の政治、経済、貿易を維持する主要な柱であり、特に沿海諸国の経済、軍事、政治に大きな影響を与えている。海上交通安全はすべての海上活動の基礎であり、海上交通安全がなければ海上航行、停泊、作業などの活動を効果的に行うことはできない。国際海上交通は世界交通の重要な構成部分であり、国際海運公会(ICS)と経済協力開発機構(OECD)の統計データによると、現在、世界の約90%の貨物が海運を通じて世界各地に輸送されており、2050年までに海運貿易量は2倍に増加する見込みである。国際海上交通安全は世界152個沿海諸国の経済発展、社会福祉だけでなく、内陸国の国民経済、輸出入貿易、社会生活とも密接に関連している。国際通航海域には膨大な数の商船が行き来するだけでなく、大量の遠洋漁船、工事作業船舶、浮動掘削プラットフォーム、水中施設などが存在する。これらの船舶や施設の運転者、操縦者などの関連主体は国際海上交通の参加者であり、交通安全の受益者でもある。技術規則と法律規則は国際海上交通の安全を保障する2つの経路で、2つの経路は平行に存在し、時には交差が発生するが、技術規則の法律化がその交差点の1つである。国際海上交通安全の法律的保障を研究するには、全体的な海洋安全観に立脚しなければならず、既存の法律規則を構築し、その適用を探究するだけでなく、海上安全脅威要素の変化と国家海洋利益の拡大に対応し、法律規則の進展の傾向と方向に注目し、国際海上交通安全の法律的保障需要を理解する必要がある。本書は国際海上交通安全保障の視点に基づいて、海上安全保障の現代社会に現れた新しい形態と国際条約の発展と結合して、問題意識から出発して、国際海上交通安全保障の構成を主な研究内容として、海上通航環境の安全保障、海上交通機関及びその上部人員の安全保障、海上交通の安全調査、国際紛争の解決及び国の国際的責任における法律問題について研究した

著者の紹介

馬金星、中国社会科学院国際法研究所副研究員、法学博士。研究分野は国際海洋法、国際海事法である。『国際法研究』『社会科学』『法学雑誌』『International Review of the Red Cross』『Journal of East Asia&International Law』など国内外の刊行物に論文を20編以上発表した。中央関係部門に採択された内部研究報告書は80余編で、中国社会科学院優秀対策情報一等賞、三等賞などを受賞した。国家社会科学基金青年プロジェクト、中国社会科学院青年科学研究スタートプロジェクト、中国ポストドクター科学基金の面上援助プロジェクトなどを主宰または完成させる。